檀信徒様。ホームページをご覧の皆様。
謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
佳き年に致しましょう。
笑顔と感謝で過ごしましょう。
新年最初の住職のお話、
旧年に続き、童謡詩人金子みすゞさんの
有難い詩をひとつご紹介させて頂きます。
  

  お佛壇

お背戸でもいだ橙も、

町のみやげの花菓子も、

佛さまのをあげなけりゃ、

私たちにはとれないの。

だけど、やさしい佛さま、

ぢきにみんなに下さるの。

だから私はていねいに、

両手をかさねていただくの。

家にお庭はないけれど、

お佛壇にはいつだって、

きれいな花が咲いてるの。

それでうち中あかるいの。

そしてやさしい佛さま、

それも私にくださるの。

だけどこぼれた花びらを、

踏んだりしてはいけないの。




朝と晩とにおばあさま、

いつもお燈明あげるのよ。

なかはすっかり黄金だから。

御殿のやうに、かがやくの。

朝と晩とに忘れずに、

私も禮をあげるのよ。

そしてそのとき思ふのよ、

いちんち忘れていたことを。

忘れていても、佛さま、

いつもみていてくださるの。

だから、私はさういふの、

「ありがと、ありがと、佛さま。」

黄金の御殿のやうだけど、

これは、ちいさな御門なの。

いつも私がいい子なら、

いつか通ってゆけるのよ。

 


私たちはいくつになっても御仏の子ども・・・
そのように強く感じるとても良い詩ですね。

合掌

2015年(平成27年) 1月吉日