令和最初の師走もあとわずかとなりました。

本年最後の「住職のお話」始めさせて頂きます。

愚僧は昭和の団塊の世代、24年に生を頂きました。

物心がついたころからあるものや光景や常識・・

今は稀有であったり、無くなってしまったもの、

常識とされていたことも、中には非常識となったことも少なからずあります。

*鰹節を削る刃のついた木箱 *氷を入れて冷やす冷蔵庫 *洗濯はたらいと波板

*タバコ屋の店先には、今日も元気だタバコがうまい、標語のようなもの

*テレビのある家にはプロレス等の放映に近所の人が集まる

*舗装された道は少ない *町なかでも食用として鶏を飼う家がある

*悪さをしたら水を入れたバケツを持って立っていなさいと命令する教師

これらはごく一部であります。

戦後から30年代、そして、大阪万博が開催の頃には、日本は大きく発展し

アジアのリーダー的な国になり、豊かな社会になりました。

しかし、近年はどうでしょうか。バケツを持って立たせるような教師が居たら

ハラスメント教師となり、大問題になるかもしれません。

陰湿ないじめ、学校でも、社会全体でも殆どなかった時代でした。

愚僧の認識では、「頑張って」は、励ましや応援の気持ちからの言葉でありますが、

立場や関係性に依っては、ハラスメントにもなる昨今であります。

そのような観点からすると、愚僧には、生きづらい世の中になりました。

確かに、インターネットはじめ、あらゆることが開発・向上・発展し、

便利で、豊かで、快適な世の中にはなりましたが・・・

昔は随分と不便がありましたが、人々は助け合い工夫もした時代でした。

昭和、平成、令和を生かせて頂き、愚僧は70歳となりました。

道元禅師は、70歳の愚僧をご覧になって、何とお声をかけて下さるか、

恐れ多くも想像をさせていただきました。

「今を切に生きよ」 「日々刹那を丁寧に生きよ」 

「生きづらい等と愚痴を言わず、又感じることなく精進せよ」

カミングアウトでありますが、朝夕の本堂での読経、怠ける日があります。

本当に愚僧であります。御本尊様と、檀家様に切にお詫び申し上げます。

このような愚僧が住職を務める鳳林寺ではありますが、今日からは 

鳳林寺に恥じない住職になりますように、精進いたしてまいります。

来る年も、皆々様が、ご健康でご多幸であらせられますようご祈念申し上げます。

當山、並びに「住職のお話」に本年もおつきあい頂きましたことを、

深謝させて頂きながら、令和師走のお話終えさせて頂きます。

合掌

令和元年(2019年) 十二月 心よりお詫びの日